【コミカライズ】若き社長は婚約者の姉を溺愛する《宮ノ入シリーズ①》【番外編更新】
  ◇◇◇◇◇

 次の日の朝、身の回りの物を持ってきたのは、継母だった。
 さすがに餓死されたりしては困ると思ったのか、パンと水もある。
 でも、私が持っていた服や靴などは、捨てられてしまったのか、継母が持ってきたのは、おばさんが着るような服と下着で、サイズも合わない。
 そして、わずかなお金だけだった。
 まるで罪人のような扱いで、牢屋に入れられているみたいだった。
 逃げようにも、窓の外には、誰かがいつもいて、私を見張っているのがわかる。
 外に出ることもできず、食べる物も買いに行けない。

「私をどうしたいの……?」

 継母は口も利かずに帰って行き、現状がどんな状態なのかもわからず、この先どうなるのか不安だった。
 
『また明日』

 そう約束して別れたのに、約束の土曜日、私たちは会えなかった。
 ずっと楽しみにしていた土曜日を最悪の形で向かえた。
 本当なら、今ごろ、瑞生さんのマンションに引っ越して、一緒に過ごしていたはずだ。
 
『ふさわしいと思ったのかしら?』
『勘違いだよ』

 そんな言葉が、一人になった私を追い詰める。
 今ごろ、継母は瑞生さんへの嫌がらせを考えているかもしれない。
 それに、昨日、父と瑞生さんは、なにを話していたのだろう――
 
「こんにちは。泥棒さん。この汚いアパートへ来てあげたわよ」

 ノックもせずに入ってきたのは、梨沙だった。
 私のおばさん風の服を見て、梨沙は大笑いした。
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