怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~

 そこからは東京の夜景が一望でき、思わず「わぁ……」と感嘆の声が漏れる。

 東京タワーとスカイツリーが同時に見えるだけでなく、お台場方面まで見渡すことができる圧巻の景色だ。


「優月、こういうのあまり見たことないだろ」


 窓に張りつくようにして夜景を眺めていると、後ろから悠正さんの声が聞こえた。


「帰る時間を厳しく決められていたならゆっくりと夜景なんて見られないもんな。俺のマンションの部屋から見える景色にだいぶ感動しているようだったから、もっと本格的なのを見せてあげたいと思って」


 それで、私をここに連れてきてくれたんだ……。

 悠正さんのマンションから見える夜景も素敵だけれど、さすが展望用だけありここからの景色はやはりとてもきれいだ。


「感想は?」


 後ろに立っていたはずの悠正さんが一歩足を前に出して私の隣に並んだ。スーツのズボンのポケットに軽く両手を入れながら、私に向かって優しく微笑む。

 私は、目の前に広がる夜景を見つめながらゆっくりと口を開いた。


「とてもきれいです。悠正さんの言う通り、この時間だと私はいつも家にいたので。こんなに素敵な夜景は見たことがありません。だから今すごく感動しています」

「だろうね。今の優月の顔、すごくうれしそうだ。連れて来て正解だった」

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