怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「でも、私たちには関係ないですよね。私と悠正さんはお互いのメリットのために結婚したので初めから愛はないし、だから冷めることもないですもんね」
ふと瑠奈に言われた言葉を思い出した私は何気なくそう呟いた。すると、先ほどまで雑誌のページをひらひらとめくっていた悠正さんの指の動きがぴたりと止まる。
「悠正さん?」
そのまま反応がないことを不思議に思い声をかけると、悠正さんはハッとしたように顔を持ち上げた。
雑誌をローテーブルに置いた彼の視線が私に向かう。
「あのさ。つい昨日、俺が優月になんて言ったか覚えてる?」
「昨日……」
「展望フロアで言っただろ。結婚したからにはちゃんと夫婦になろうって。まさかまた忘れた?」
「い、いえ。覚えています」
私は慌てて首を横に振り、そのときのことならしっかりと記憶に残っていることを悠正さんに伝えた。すると、彼が小さく息を吐き出す。
「それなら、この結婚に愛がないなんて冷たいこと言うなよ。確かに始まりはそうだし、今もそうなのかもしれないけど、俺はこれからちゃんと優月と夫婦になって愛し合いたいと思ってるんだ」
「悠正さん……」