怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
悠正さんの手がそっと私に伸ばされ頬に触れる。そのまま親指の腹で唇をそっとなぞられると、そのくすぐったさい刺激に思わずピクッと体が跳ねた。
気が付くと目の前には悠正さんの顔があり、そっと唇を重ねられる。
昨日の展望フロアで交わしたときよりも深く長いキスに私は抵抗することなくそれを受け入れていた。
しばらくすると悠正さんの唇が離れていく。キスで乱れてしまった呼吸を整えていると、すぐ目の前から声が聞こえた。
「優月。俺は――」
悠正さんがそう言葉を続けようとしたときだった。雑誌の隣に置いてある彼の携帯端末がぶるぶると震え出す。そちらに視線を向けた悠正さんが軽く息を吐いた。
「このタイミングか」
そう呟くと、先ほどのキスのときからずっと私の頬に触れたままでいた手を離す。ソファから立ち上がった悠正さんが、ローテーブルの上の携帯端末を手に取り耳に当てた。
「――はい、隠岐です」
通話を始めると、足早にリビングを出ていってしまった。