怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「あのとき、世間からどんなに強いバッシングを受けても依頼者の無実を証明するために戦う悠正さんの姿が、会社で横領事件の濡れ衣を着せられた父の免罪を晴らしてくれた弁護士さんと重なって見えたんです」
そう話す優月の視線がまっすぐに俺を見つめる。
「私にとって父の無実を証明してくれた弁護士さんはヒーローのような存在なので、その人の姿と重なって見えた悠正さんも私にとってはヒーローなんです」
「ヒーローか」
自分ではヒーローなんて思ったことはこれっぽちもなかったが、想いを寄せる女性からそう言われるのは純粋にうれしいと思う。
だから優月に今度は俺からも打ち明ける。
「あの事件を担当していたとき、俺にとって優月は女神に見えたよ」
「め、女神ですか⁉」
優月が驚いたように目をぱちぱちとさせる。その表情がおもしろくてつい笑ってしまった。俺はそのまま言葉を続ける。
「優月、俺に言ってくれただろ。私は隠岐先生の味方です、応援していますって……。覚えてる?」
「はい、もちろん」
「その言葉がすごくうれしくて、力になった」