怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「おふたりは恋人だったんですよね。久しぶりに再会して、むかしの恋に火がついて復縁したのでは?」
もしかして違うの?
ふたりの反応を見ていると、なんだか間違ったことを言ってしまった気がする。
悠正さんが大きなため息をつきながら片手で前髪を乱暴にかきあげた。
「なるほどな。だから離婚か。好きな人と一緒になるべきってそういうことだったのか」
そう呟いた悠正さんの瞳がまっすぐに私を見つめる。
「それ、誰に聞いた? まぁだいたい予想はついてるけど」
悠正さんが再びため息を吐き出す。
「鏑木だろ」
言い当てられてピクッと体が反応してしまった。それだけで悠正さんは気が付いたらしい。「やっぱりな」と呟き、視線を雪平さんへと移す。
「律花。お前の彼氏はどうしてむかしから俺に嫌がらせばかりするんだ。俺と律花が恋人だったなんて嘘を優月に吹き込んで、危うく離婚するところだったんだぞこっちは」
「ごめんなさい、隠岐君。まさか壮がそんなことをするなんて……」