怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
あれだけ世間からバッシングを受けていれば本人の耳にも入るだろうし、それはやっぱり精神的にもよくないと思う。
隠岐先生を見ているとあまり気にしているようには見えないけれど本心ではどうなのだろう。普段と変わらずに振る舞っているだけで、心の中では傷ついているのかもしれない……。
『確かに今の俺は散々な言われようだよな。クソ弁護士らしい。こんなに真面目に頑張っているのにクソ呼ばわりはひどいよな。泣きたくなるよ』
そんな言葉とは正反対になぜか隠岐先生はけろっとした様子で笑っていた。
『でもまぁ言わせたいやつには言わせておけばいい。俺はまったく気にしていないし、そんなことで裁判の場でひるんだりしないから。むしろ燃える』
『燃える?』
どうやら本当に隠岐先生は世間の風当たりの強さを気にしてはいないようだ。むしろ楽しんでいるようにすら見える。
隠岐先生は私の淹れたコーヒーをひと口飲んでから言葉を続けた。
『少なくとも俺は自分の依頼人が嘘を言っているとは思っていないし、それを証明するための証拠も集めてる。世間からどんなにバッシングをされようとも、俺は弁護士として自分の仕事をするだけだ』