怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~


「でもな、優月」


 悠正さんがふと口を開く。


「あまり羽目を外しすぎるなよ。きみを束縛するつもりは少しもないけど、あまりにも帰りが遅かったり、何日も帰ってこなかったりされると、さすがの俺も心配になるから。好きに過ごしていいが、ある程度の報告はしてほしい」

「わかりました」


 私がうなずいたのを確認すると、悠正さんがすっとイスから立ち上がる。


「それじゃあ俺はそろそろ行くけど、優月はまだここでゆっくりと過ごしていいよ。入籍と引越しの翌日から仕事ですまない」

「いえ。悠正さんこそ休日なのにお仕事お疲れさまです」


 今日は日曜日で事務所の営業は休みだ。けれど、どうしても休日にしか相談ができないという依頼者のために悠正さんはこれから仕事へ向かう。


「そういえば、悠正さん。帰宅は何時頃になりそうですか」


 イスの背もたれにかけていたスーツの上着を羽織っている悠正さんに尋ねると、彼は少し考えてから口を開く。


「そうだな……。相談自体は午前中には終わると思うけど、その後すぐに用意しないといけない書面があるから、それを終わらせてからになると六時……いや、七時過ぎるかかな」

「わかりました。それでは晩ご飯を作って待っていますね」


 そう言うと、悠正さんの動きがぴたりと止まった。

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