怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
「晩ご飯って、もしかして俺の分も作ってくれるの?」
「そうですけど……」
もしかして、必要なかっただろうか。
結婚をして同居を始めたのだからそれくらいのことはしようと思っていたのだけれど、悠正さんにとても驚かれてしまった。
余計なお世話だったのかもしれないと不安に思いながら見つめていると、悠正さんがにこりと微笑む。
「それはすごく嬉しいな。優月の手料理を楽しみに、今日も一日頑張れそうだ」
羽織った上着のボタンを片手でひとつ留めながらそう言った悠正さんに私はホッと胸を撫で下ろす。どうやら余計なお世話ではなく、彼の分も作っていいらしい。
「ちなみに悠正さんはこれが食べたいとかありますか? リクエストがあればそれを作ります」
「リクエストか……」
子供の頃から母とよく一緒に料理をしていたので、大抵のものなら作れると思う。
「それじゃあ優月の得意料理がいいかな」
「得意料理ですか?」
「そう。それが食べたい」
「わかりました。頑張って作ります」
気合を入れて答えると、悠正さんが楽しそうに笑った。
「たぶん七時には帰れると思うけど、遅くなりそうなら連絡するから」
「はい」
そんなやり取りをしながら、なんだか自分の顔が自然と緩んでいくのがわかる。つい笑ってしまうと、「どうした?」と悠正さんに尋ねられた。