怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~
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その夜。
私が晩ご飯に作ったのはビーフシチュー。
今朝、仕事へ向かう悠正さんと別れたあとで必要なキッチン用品を買い足し、スーパーで食材や調味料を買い揃えてからマンションに帰宅した。
私にとってビーフシチューは実家にいた頃に誕生日などのお祝い事があるたびに母と一緒に作っていた思い出の一品だ。
市販のルーは使わず、バターや小麦粉、トマト缶に赤ワインなどで作る。じっくりと煮ることで、牛肉と野菜の旨味が溶け出して本格的な味わいになるのだ。
今日もお昼過ぎから作り始めてたっぷりと煮込んである。味見もしたけれど、美味しくできているはず。
ビーフシチューを作ったのは得意料理というのもあるけれど、ちょっとしたお祝いのつもりだった。
本当は入籍を済ませた昨日にそのお祝いができたらよかったのだけれど、引越しなどもあり慌ただしく過ごしていたらその時間が取れなかった。
だから今日、改めてお祝いをしたくなったのだ。
とはいえ、私と悠正さんの場合はお互いのメリットのために結婚しただけ。普通の恋人たちのように恋愛期間はなかったし、お互いに特別な想いを抱いているわけでもない。