怜悧な弁護士は契約妻を一途な愛で奪い取る~甘濡一夜から始まる年の差婚~


「俺たちの結婚は俺が提案したようにお互いのメリットのためのものだけど、きっかけはどうあれ俺と優月は夫婦になったんだ。これからよろしくな」

「こちらこそよろしくお願いします」


 悠正さんも私と同じで入籍のお祝いをしてくれようとしていたことがうれしかった。

 私たちの結婚は普通の人たちとは違い恋愛を経たものじゃない。でも、悠正さんとなら夫婦としてうまくやっていけそうな気がする。


「さっきからずっとおいしそうな香りがしてるんだけど、もしかしてビーフシチュー?」

「はい」


 悠正さんに料理を言い当てられ、私もくんくんと玄関のにおいをかいでみる。キッチンから流れてきたのだろう、ビーフシチューの香りが玄関にも漂っていた。


「悠正さんはビーフシチュー食べられますか。今朝、苦手な食べ物を聞くのを忘れてしまったので」

「大丈夫。俺は好き嫌いなくなんでも食べるから」

「それならよかったです」


 その答えを聞いて安堵する。

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