花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

エミリーが空のマグカップをアデルに返すのを待って、オレリアが話し出す。


「テドの坊主から手紙をもらってね、聖女遷移の話は聞いていたんだよ。自分がエミリーを推すとも。どうも嫌な予感がして、ちょうどあの時モースリーに向かっていた途中だったんだ」


テド院長の名前が出て、あの応接室での出来事が遠い昔のことのように思えてくる。

テド院長は私を推してくれていたばかりに、今頃理不尽な思いをさせられていないと良いのだけれどと、エミリーは切に願った。


「さっき二回殺されかけたって言っただろ。あれね、ロレッタ・ヘイズに前大聖女、聖女院の仕業だったんだ」


オレリアの告白を受け、「そんな」とエミリーは言葉を失う。


「ヘイズは代々大聖女を出しているご立派な家系でね。ロレッタも次の大聖女は当然自分だろうと疑いもしていなかったよ。大聖女の候補に私の名前が上がるまではね。何せ私はロレッタよりも才能に恵まれていたから、このままでは大聖女の座を奪われると焦ったはずだ」


才能云々は置いておいて、それはエスメラルダと自分の状況と同じだとエミリーは苦い気持ちになる。

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