花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「そしてヘイズ家の大聖女のお陰で多額の援助金を得ている聖女院のお偉いさんも、私が大聖女になったら今まで通りに甘い蜜を吸えなくなるかもと危機感を覚えたらしく、一緒になって私を消そうとした」
聖女院の院長も兼ねているカルバード学長の顔が脳裏にチラつく。
ロレッタの強い魔力に心酔しているように見えていたが、それだけでなくお金という魅力にまで取り憑かれていたらしい。
自分を邪険にしていた心の内が見えてきて、エミリーは「信じられない」と頬を膨らませる。
「聖女になんて鼻から興味なかったし、ロレッタや聖女院とも関わりたくないしで、卒業と同時に薬師の資格を取って、さっさとモースリーを離れたさ」
「当然よ。私でもそうしたと思うわ」
「……でもね、今はそれを後悔しているんだ。あの時にぶっ潰しておけばよかった。そうすればエミリーに辛い思いをさせずに済んだのに」
俯かれた顔が悔しげなのに気付いて、エミリーはオレリアに手を伸ばし、労るようにそっと腕に触れた。
「私は感謝しているわ。だってオレリアはこんなにも私を気にかけてくれているんですもの。助けてくれてありがとうございます。オレリアに心からの感謝を」