花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「あの日からすでにもう一ヶ月経ってるんだ。テドによると、エミリーが窃盗と国王陛下を謀った罪を認めたあと、目を話した隙に毒を煽り自ら命を絶ったと、連行から三日も経たないうちに聖女院から情報が出たらしい」
一ヶ月も経っているというのなら両親にもすでに連絡はいっているはずで、リタや裏庭で会った美麗な彼もどこかで話を聞いたことだろう。
みんなを悲しませてしまったとエミリーは胸を痛めた。
「エミリーが気絶した後、刺客の男を混乱させ、記憶もちょっといじらせてもらった。最初の一撃で仕留められなかったエミリーは逃げ出し、あの森にある底なし沼に足を滑らせて落ち、男の目の前で沈んでいったってことにしてある」
オレリアは杖で叩くような仕草をしつつ得意げな顔をするも、気がかりが心をもたげたかのか僅かに表情を厳しくさせた。
「もちろん私たちに会った記憶も、御者ともども消しておいたよ。私の術だ。そう簡単には解けないだろうが、ロレッタに気付かれたら終わりかもしれないね」
エミリーは家族やリタ、裏庭の彼を思い出して寂しくなり、ベッドの上で膝を抱えて身を丸くした。