花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「私はみんなの記憶の中で死んだのね」
「ショックだろうが、こっちとしては死んだと思ってもらっていた方がありがたい。少なくともエミリーが回復するまでは騙されていてもらいたいところだ」
「そうね、生きてさえいれば、両親にもみんなにもいつか会いに行けるはずだもの」
ロレッタや聖女院の思うようにはいかないからと気持ちを奮い立たせたエミリーへと、「あぁそうそう」とオレリアが思い出したように続ける。
「メイルランド夫妻だけには生きていると伝えてあるよ」
「本当に?」
「エミリーが盗みなどするはずない。誰かに騙されたに違いないって、あの温厚なバリーがロレッタや国王夫妻の元へ乗り込もうとしているって聞いてね。下手すれば、ロレッタの返り討ちにあうかもしれないし、引き止めるために他言無用で打ち明けたんだよ」
お父様がそんなことを驚くと同時に、自分のために怒ってくれたのだと嬉しくもなる。
ひとまず両親には自分が生きていることが伝わり、無駄な悲しみを長引かせずに済んだことにエミリーはホッと息をついた。
「お父様、爵位剥奪されていないわよね」
「爵位剥奪だって? そんな動きは一切ないよ」
「それなら良かった」