花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

知っているなら教えてくれても良いのにと頬を膨らませて抗議すると、オレリアがふっと意地悪な笑みを浮かべる。


「あんたらふたりは面白いようにすれ違ってくれるね、見ていて飽きないよ」

「面白がってないで知ってるなら教えて、お願いよ!」


エミリーが不貞腐れながらもお願いと繰り返した時、部屋の中にリンリンと鈴の音が鳴り響いた。

オレリアはゆっくりと椅子から立ち上がると、難なくエミリーを抱っこし窓へ向かって歩き出す。

エミリーは抱っこされるという慣れない状況に慌ててオレリアに抱きつくも、オレリアの視線の高さが元の自分と同じなため妙にしっくり来て、改めて自分が小さくなってしまったんだと実感させられる。


「あれはダリウスね」


窓から外に目を向けると門の所に一年ほど前からオレリア商会で見習いとして働いているダリウスが立っていた。

どことなく不機嫌にも見える顔で屋敷を見つめているこの彼はリタと同じユギアック出身で、裏庭の彼が言っていた性悪店員である。


「ああもうこんな時間か。商談のお客が来たようだね」


オレリアはダリウスが来た理由をすぐに察し、その場にエミリーを下ろした。

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