花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「それじゃあ私は店に戻るよ。エミリーはゆっくりしていな」
「わかったわ。いろいろありがとうオレリア」
エミリーはナイトワンピースをちょこっと摘み、膝を折ってお辞儀をする。
愛らしいその姿にオレリアはにっこりと微笑んで、部屋を出て行った。
目覚めてから、エミリーは三歳児の自分に慣れる努力を始める。
オレリアの屋敷は以前過ごしたことがある場所のため勝手は知っているが、なにせ体が小さくなってしまったため力も弱まり、扉によっては開けるのもひと苦労し、高い所にある物を取るべく踏み台を運ぶのも大変である。
オレリアは屋敷にあまり人を入れたがらず、そのため、店の仕事だけでなく家事全般までアデルが担っている。
手際良くすべてこなしていくが、忙しいことには変わりなく、あまり手を煩わせないようにとエミリーもできることは自分でやるようにしている。
ベッドで薬学の本を読んだり、時々屋敷の中を運動がてらうろうろしたりとのんびり過ごしているうちに、目覚めた当初繰り返し起きていた頭痛や目眩、時折体を走る痛みも徐々に無くなっていった。
昼食を終えて窓際に置いた踏み台に乗って窓の外を真剣に見つめていると、アデルが茶色の大きな紙袋を抱えてエミリーの元へやって来た。