花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

久しぶりの外の空気を胸いっぱい吸い込みつつ温室の中へと移動し、栽培されている薬草を吟味する。

手始めとして調合するなら、基礎の基礎である回復薬からよねとエミリーはそれに使う薬草を土からえいっと引き抜いた。

必要な分だけ薬草を取り終えると、それを両手で握りしめ、アデルに扉を開けてもらい温室の外へ。

視線をあげると先ほど自分が外を見ていた居間の窓からこちらを眺めているオレリアの姿を見つけ、エミリーは笑顔で「取れたわー」と薬草を持ったままの泥だらけの手を振った。

その姿にオレリアは「行動は三歳児のそれだね」と苦笑いする。

続けて玄関のドアもアデルに開けてもらって屋敷の中へ入ると、そのまま一階の廊下の奥にある調合室へ。

アデルが室内へと先に入り、閉め切っていたカーテンを開ける。

薬草の匂いで満ちている調合室はエミリーの大好きな場所でもあるため気持ちが昂っていく。


「さ、作るわよ!」


アデルが素早く持って来てくれた踏み台に乗って、流し台で薬草を洗って土を落とす。

その後、ぴかぴかになったそれをすり潰し抽出した液体を分量を計って魔法水と共にフラスコの中へ投入する。

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