花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
光の魔力で撹拌させれば回復薬は完成で、ここが腕の見せ所である。
専用の台に置いたフラスコを包み込むように両手をかざし、エミリーは目を閉じ、気持ちを集中する。
ふわりとエミリーの手から光の胞子が飛び出し、液体の表面がゆらりと波打つ。
自分の体の中を流れる光の波動をいつもよりハッキリと強く感じてエミリーがハッと目を見開いた瞬間、体全部が光輝き、光が渦となってフラスコの中へと吸い込まれていった。
やがて体から光が消え、エミリーは瞬きを繰り返した後、戸口に立っているアデルへと顔を向ける。
「私今日、とっても調子が良いみたい」
笑顔で報告すると、唖然としていたアデルが慌てて駆け寄り、フラスコを手に取った。
「……エ、エミリーちゃん、これ調子が良いってだけで作れる代物じゃないですよ」
「え?」
アデルはフラスコを専用台に戻して廊下へと飛び出し、「オレリア様!」と居間に向かって呼びかけた。
「これでもいつもより上手くできたような気がするんだけどな」
論外の代物を生み出してしまったかしらとわずかに気落ちしながらエミリーがフラスコを手に持った時、「本当に騒がしいね」と文句を言いながらオレリアが姿を現す。