花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「いったい何だって言うんだい。私はそろそろ店に戻らないと……なっ!」
エミリーが手にするフラスコを視界に捉えた瞬間、オレリアもアデル同様駆け寄ってくる。
そして、フラスコを奪い取り、輝きながらゆったり揺れる液体をじっと見つめた。
「驚いた……一級品どころか天上級品の域に入っているね。猛毒を受けて、眠っていた力がしっかり覚醒してしまったようだ。これはロレッタの大誤算だね」
オレリアは「あっはっは」と楽しげに笑ってからフラスコを専用台へと戻し、エミリーをぎゅっと抱きしめた。
「過去にはテドを含め、うちで働く間に天上級品を作れるようになった薬師もいたよ。でも、そういった才能ある者たちはすぐに独立して自分の道を歩き始めるからね。今はうちで天上級品を作れるのは私とアデルだけさ」
オレリア商会ではもちろん天上級品だけでなく、一級から三級品まで取り扱っている。等級が低いものはすべて従業員が作ったものである。
「もうひとりくらい作り手が欲しいと思ってたんだよ。良いね、これは間違いなく金になる」
「資格すら持ってない学生が作ったものよ。売り物になるの?」
「資格なんて言わば目安みたいなもの。私が大丈夫だと思えば売れるさ」
「また騎士団に捕まるなんて嫌よ」