花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
店内には注文した品物の受け取り待ちらしき冒険者たちが、ソファーに座って談笑していたり、魔導具を手に取って眺めていたりしている。
店の奥からカゴを抱え持って出てきた男性従業員アルフォンが、オレリアに気付いて頭を下げ、そしてその足元にいるエミリーを二度見し、驚きの表情を浮かべる。
オレリア商会で正雇用扱いは四人だけ。ひとりがアデルで残りの三人のうちのひとりがアルフォンだ。
後は準雇用扱いで見習いと呼ばれる人たちがいる。
枠は五名のみで正雇用者よりは賃金は低いが、オレリアの元で腕を磨きたいと国内外から希望者がやって来るため、常に定員を満たしている状態だ。
アルフォンは昔から働いているためもちろんエミリーとも顔馴染みで、「久しぶり! 元気だった?」と話しかけたくなるのをぐっと堪える。
「オレリア様、その女児はいったい」
「可愛いだろ。エミリーって言うんだ」
「えぇとっても可愛いですけど……」
突然、か細く虚ろな声を発したオレリアをエミリーが唖然と見上げる。
アルフォンは持っていたカゴを近くの棚に置くと、恐々とした様子でアデルに問いかけた。