花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「オレリア様、いったいどうしちまったんだ」
「エミリーさんを亡くしたショックで塞ぎ込んでいたでしょ? 先日商談でユギアックに行った時、この子を見かけて。エミリーさんに似てるって、連れて帰ってきちゃったのよ」
「なっ、なんだって!」
アデルの説明を聞いて飛び出したアルフォンの声で客と従業員の視線が集まってきて、オレリアに子供はもちろん孫もいないと知っている人達がエミリーに対して不思議そうな顔をする。
「確かに似てるような気もするけど、ま、まさか……誘拐」
「アルフォン! 誘拐だなんて私をなんだと思ってるんだい? 孤児院で一人寂しそうにしているのを見て、どうしても放っておけなくなってしまったんだよ。この子を養子に迎えることにしたよ」
通常の迫力を取り戻したオレリアからぴしゃりと言われ、アルフォンは体を小さくして「失礼しました」と愛想笑いを浮かべる。
そしてエミリーへと歩み寄って、目線の高さを近づけるように身をかがめた。
「お嬢ちゃん、こんにちは。私の名前はアルフォンだよ。君の本当のお名前は?」
アルフォンは、オレリアがエミリー恋しさにそう呼んでいると思った様子だった。
エミリーはちらりとオレリアを見てから、繋いでいた手に力を込める。