花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
「……初めまして、私エミリー・リングハット。よろしくお願いいたしましゅ」
第一印象は大事だわ、でも内気な三歳児っぽくと頭の中で繰り返しながら自己紹介したため、最後で噛んでしまいなんとも締まらない挨拶に。
恥ずかしいのはエミリーだけで、その場にいたみんなは可愛らしいとほっこり顔。
女性客から「小さいのにちゃんと挨拶できるなんてすごいわね」とベタ褒めされ、エミリーは三歳児で良かったと引きつった笑みを浮かべる。
アルフォンが感心したように「オレリア様がお金にならないことをするなんて意外だな」と呟くと、「オレリア様、確認したいことが」と受け付けにいた従業員が手を挙げる。
オレリアはアルフォンをじろりと見た後、呼ばれた方へと歩き出した。しかし途中で、思い出したように振り返る。
「アデル、エミリーに店の中を案内しておくれ」
アデルが「かしこまりました」と返事をし、エミリーと手を繋ぎ歩き出す。
エミリーはアルフォンに「実は私がいるとお金になるのよ」と話しかけたいのを我慢して、小さく手を振るにとどめた。
アデルに手を引かれ店の奥へ進むと、調合室で五人の見習いが魔法薬を作っていた。