花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
先ほど、庭で詰んだものと種類は同じでいくつか束になってまとめられてある。
一束でどれくらい回復薬が作れるかしらと、分量を確かめようと手に取ろうとした瞬間、横からその手を叩かれた。
「おい、ここにあるものは子供の遊び道具じゃないぞ。勝手に触るな」
意地悪な顔で見下ろしてくるダリウスに、エミリーは顔を強張らせる。
ダリウスはエミリーがエトリックスクールに入学する前にオレリア商会に見習いとして入っている。
そのため何度か話をしたことはあるが、その時は紳士的な態度だったため、記憶と目の前の彼との違いに理解が追いつかない。
「あなたが連れてきたんですか? 邪魔なのでさっさと外に連れて行ってください」
立場が上のアデルにもそんな言い方なのとエミリーは驚き、と同時に美麗な彼が常日頃性悪だとぼやいていたのを思い出す。
「……あなた、本当に性格が悪かったのね」
つい呟いてしまい、エミリーはしまったと小さな手で口を押さえた。
しかし時すでに遅し、ダリウスが怒りの形相でエミリーを睨みつける。
「は? なんだとこのガキが!」
乱暴な言葉と共に振り上げられた大きな手に、エミリーが体を竦ませる。