花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!
アデルが素早くダリウスの腕を捻り上げると同時に、戸口から「ダリウス」と厳しい声音が飛んできた。
「この子を店の中に連れ込んだのはこの私だよ。文句あるかい?」
オレリアのひと言にダリウスは気まずそうに視線を泳がせる。しかし、自分の意見は曲げたくないらしく引き下がらなかった。
「ですが、ここを遊び場にされたら」
「遊び場になんかならないよ。この子をあんたと同じ見習いのひとりだと思ってくれてかまわない」
オレリアははっきりとそう言い放ち、「みんなも分かったね」と自分の周りに集まってきた従業員たちも促す。
「見たところ、まだ三歳くらいですよね。見習いとして接しろと言われても難しいですよ」
アルフォンに苦言を呈され、オレリアはにやりと笑って言ってのけた。
「この子には特別な才能があるんだ。だから今から鍛え上げるんだよ」
「ほっ、本当ですか」
「あぁそうだとも。私が見返りもなしに子供を引き取ると思うかい?」
「……それでこそオレリア様です」
アルフォンを始め、その場にいるみんなが納得顔になる中、やはり納得できないダリウスがエミリーを睨みつけて拳を握りしめた。