花嫁も大聖女も、謹んでお断り申し上げます!

微量ではあるが聖樹は甘い匂いのする毒を放出する。毒は草花を枯れさせ、人々の健康にも悪影響を与える。

それだけでなく、果実目当てに獣が近づいてくるため街に近い場所に生えていると大変危険なのだ。

そして、聖樹の毒は光の魔力でしか浄化されない。

薬師にも光の魔力を使えるものはいるが主に治癒効果のみで、毒を排除し凶暴化した獣をも寄せ付けなくなる浄化効果は上級魔法に位置付けられている。

そのため、浄化効果を会得するのが最終目標である聖女クラスは薬師クラスよりも入学試験が厳しく、今年度の新入生は六人のみ。

エトリックスクールを出る前に会った令嬢がそのうちのふたりで、あの横柄な態度の裏側には自分たちは選び抜かれたエリートだという自負がある。

とは言え、エミリーの魔力の高さは入学試験時から注目されていた。合格後に薬師クラスではなく聖女クラスへ入りませんかと打診が来てしまうほどに。

その時点で丁重にお断りしたのだが入学した後もクラス関係なく教師からの勧誘は続き、今日呼び出されたのもそれである。

フィデルに言い当てられた驚きで声高に言葉を返すも、不機嫌なオレリアと目が合い、エミリーは慌てて否定する。


< 23 / 286 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop