幼なじみはトップアイドル 〜ちさ姉を好きになっていいのは俺だけ〜
「マジ?」
「もちろん、すぐには無理だろうけど」
「てかさ」

 フォークで器用にパスタをくるくる巻きながら、璃音はわたしをじっと見つめた。

「なんか、『やりぃ』って気分」
「ん、何が?」
「だって、はじめここに来たころ、ちさ姉はとにかくおれを早く追い出したがってたじゃん」

「それは……だって、人の都合なんてお構いなしに、いきなり夜中に来たりするからでしょう」

「でも、今は違うんだろ?」
「そうだね。可愛い弟のために一肌脱ごうって気にはなったかな。璃音が本気でこのドラマの仕事に賭けてるのも伝わってきたし」

 璃音はフォークを加えたまま、
「あくまで……弟かよ」と聞き取れないほどの声で呟いた。
「ん? なーに?」
「なんでもねーよ」

 そう言うと、残ったパスタをあっという間に平らげた。
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