彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
☆☆☆

翌日の朝はとても体がダルくて休みたい気分だったけれど、残念ながら熱は出ていなかった。


人間ってそう簡単に発熱できるもんじゃないんだなぁ、なんてバカバカしいことを考えながら着替えをする。


佳太くんとの関係がスッキリして、気分もスッキリしていいはずなのに、どうにもモヤモヤが胸に巣食っている。


それはきっとまだ自分の中で決着がついていないからだ。


佳太くんのことが好き。


その気持は簡単には私から離れて行ってくれないものみたいだ。


胸にチクリチクリと刺さる失恋の痛みを抱えて着替えを終えたとき、窓の外から人の声が聞こえてきた気がして動きを止めた。


確かに「おーいおーい」と、誰かを呼んでいるような声がする。


こんな時間にどこの誰が、誰に用事で呼んでいるっていうのよ。


気分の悪さを抱えて窓の下を確認してみると、玄関先に私服姿の男性が立っているのが見えた。


その男性は窓から顔をのぞかせた私へ向けて手を振っている。


「え、私……?」


一瞬ギョッと目を見開いたけれど、その私服姿には見覚えがった。


初めて佳太くんに会った時、あの服を着ていた気がする。
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