彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
こんなことは質問することじゃないかもしれない。


そう思いながらも、聞いてしまった。


だって、明日からの私達はもうなんの接点もないただの他人になってしまうんだから。


そう考えると毎日学校で会える先生と生徒はなんて羨ましい関係なんだろうと、思えてしまう。


それはそれで苦しい恋愛になるとわかっているのに、つい自分の理像を想像してしまう私はきっとまだ恋愛初心者だからだ。


「それは……初めて君に会った時、なんてキレイな子なんだろうと思って」


「え?」


予想外の言葉に私は驚き、そして絶句した。


「つい見とれていたら、言いそびれて……」


佳太くんはバツが悪そうに頭をかく。


「そ、それ、冗談ですよね? あ、あはは。先生ってそういう冗談も言えるんだ」


だから生徒に囲まれるくらいの人気者なんだなと思った時「違う!!」と、大きな声で否定された。


また驚いて佳太くんを見ると、その頬が真っ赤に染まっていることに気がついた。


そんな態度をとられたら、私は勘違いしてしまう。


佳太くんは本当に私のことが好きで、それで近づいてくれたんじゃないかと思ってしまう。


だって私は恋愛初心者だ。


ちゃんと言ってくれないとわからなくて、勝手に傷ついて勝手に期待して勝手に落ち込んだりもしてしまう。
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