彼の顔が見えなくても、この愛は変わらない
☆☆☆

「娘さんとお付き合いさせてください!」


公園でのロマンチックな告白の後、私達は家に戻ってきていた。


物語の中ならキスシーンで終わりかもしれないけれど、これは現実でキス以降もちゃんと時間は進んでいく。


ついでに行くと、私達は両親に何も告げずに朝っぱらから家を出てしまった身だ。
リビングには腕組みをして険しい顔をしているお父さん。


その隣にはニコニコと微笑んで上機嫌なお母さんがいる。


そして私の佳太くんは隣同士に座り、頭を下げていた。


まるで結婚挨拶みたいだと思ってちょっとおもしろい。


「君は教育実習生だったね。大学生か?」


お父さんの質問に佳太さんは近所の大学名を告げた。


そういうことに関しては家に戻ってくるまでに私も教えてもらっていた。


松茂佳太くん20歳。


教育学部の生徒さんだ。


ようやく彼のことを知ることができて、心の底から安堵していた。
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