sugar spot
「…関わられてたんですか?」
「うん。
多分枡川と同じチーム組んでやった時の図面だな。」
「…そうですか…」
「なに。初日の勢い、既に失ってるけど。」
少し揶揄うように告げられても、向けられる眼差しは優しいままなので嫌な気持ちには全然ならない。
どっかの能面野郎とは大違いだ。
「梨木さん。ここの家具、間違えてるよ。」
「えっっ!!!」
まだ数分見つめただけなのに、広げていた図面を指差してそう伝えられ、私の声も大きくなる。
「これ、確かにL字型のテーブル使ってるけど、商品コードによって微妙に寸法変わるから。
正しいのは、多分06始まりのやつ。」
そう指摘を受けて、急いで側に鎮座していた分厚い家具カタログを確認する。
「ほ、ほんとだ……」
ミスに気付いてがっくり再び項垂れる私を見守り終えて、彼はクスクス笑っていた。
「まあまあ、最初からそんなハイスピードでいろんなこと習得できないよ。」
「……そうでしょうか。」
「そうだよ。焦んなくて大丈夫。」
「…ありがとうございます。」
「顔、険しいままだなあ。焦ってるね。」
見通されて可笑しそうに笑われても、私には苦笑いしか浮かばない。
だってもっと、もっと、頑張らないと。
______じゃなきゃ、追いつけない。