sugar spot
「△社のリニューアル案件、うちに決まったって営業部長から連絡あったけど?」
「え!?!?!」
盛大に驚嘆の言葉が口から飛び出した。
急いで外出している部長に連絡を取ると、どうやら△社の敷波さんの上司が、直接うちの部長にオファーの連絡をしていたらしい。
“なんか別注で家具作って欲しいとか、色々ややこしい指示も来てたからとりあえず先にデザイナーの南雲に早めに動いてもらおうと思って、連絡してたんだよ。
梨木、そんなに返事待ちわびてたのか。
すまんすまん!“
「当たり前だ、待ちわびていたわ!!」と言いたい気持ちをなんとか抑えた。
軽すぎる部長からの謝罪に、その場に脱力して蹲み込んでしまった。
その様子を見守っていた南雲さんも
苦笑いを見せている。
すると、タイミングを見計らっていたかのように、握っていた社用のスマホに敷波さんからメールが届いた。
《上司が先走ってご連絡をしていたようで申し訳ありません。きちんと僕から担当の梨木さんにお願いしようとしていたのですが…。
アテンドしていただいて、御社なら“健康なオフィスづくり“をしっかりサポートしていただけるように思いました。
これからどうぞ、よろしくお願いします。》
「……良かったね梨木さん。」
「…はい。」
自分の拙いアテンドでも、敷波さんはうちを選んでくれたのだと思うと喜びが胸に流れ込んで熱く広がった。
微笑んでくれる南雲さんに笑顔を返したら、
その綺麗な顔のまま「まあここから地獄だけど。」とさらり伝えられる。
聞き間違えだろうか。