sugar spot
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そんな穏やかな午前中が、もはや今は、恋しい。
「……梨木。これは本当なの?」
いつも軽い口調で私達にも接する営業部長は、当惑したように眉をぎゅっと顰めてこちらを見つめていた。
部長のデスク前に立つ私を、同じ1課の先輩方が、不安そうに見守っている視線も、背中に一心に感じている。
「……、」
だけど今しがた、部長に伝えられたことを自分の中で反芻しても、上手く言葉が出ない。
“△社の船木さんから、俺にまた直接連絡があった。
身に覚えのない発注を御社が勝手に進めていた。
そう言われたけど、どうなってる?“
船木さんは、敷波さんの直属の上司だ。
そして始まったばかりの△社の案件で
既に進めている発注と言ったら。
__特注の、あのオフィスチェア以外には無い。
「……発注というのは、
チェアのことだと、思います。」
「特注のやつか。」
「はい。確かに生産を進めている段階です。」
「…向こうの許可が降りていないのに?」
「そんな筈、無いです…!
敷波さんから、きちんと許可をいただいています。」
先方からOKが無いのに勝手に発注を進めるなんて、そんなことはしない。