sugar spot
どうして。
どこでこんな、食い違ってしまっているの。
焦りと戸惑いで、心臓が一気に痛みを伴う大きさで打ち始めた。
「…し、敷波さんにご連絡します。」
「連絡して、お前はどうするつもり?」
「……まずは謝罪を、」
部長に促された言葉に、すぐにそう答えようとして、何故だか瞬間的に、私はあの能面と以前交わした会話を思い出した。
『俺は、謝らない。
謝罪したら、もうそれはうちに全部非があるって認めることになる。
それは、営業の俺1人だけの話じゃない、
会社の責任になるだろ。
ちゃんと調査して、原因がどこか、
責任の所在がどこか分かるまでは、謝らない。』
「……いえ。
まず、△社とのメールを全てチェックします。
そこにうちが発注をかけるまでの流れ全てが記載されているので、きちんとこちらは手順を踏んで進めたことを、確認します。」
「よし。それ分かったら俺に全部メール転送して。
俺から上司の船木さんに説明する。」
「……はい。」
よろしくお願いします、とお辞儀をしたら、部長は「梨木はいっつも硬いなあ」と、また普段の軽い口調に戻っていた。