sugar spot
「あの、」
「分かります。そんな簡単には信じられないですよね。だから良かったら、ちょっと向こうで詳しくお話しませんか?」
急展開により一層焦って、全く免疫の無いアルコールに身体はぐるぐる全身で不調を訴え続けているし、吐き気が燻って上手く拒絶が出来ない。
「いや、私は、」
「喫茶店で、あったかいものでも飲みましょう。」
この人、話が全然通じない。
なんなの東京怖すぎる…!!!
ふるふると、それでも首を振り続けていると目の前が影で覆われた。
ゆっくり視線を上げると、やたらと笑顔を保った、もうはっきり言って胡散臭そうな見知らぬ男性が立っていて。
たらり、冷や汗が背中を伝った。
「こんばんは。
僕も一緒に、お話向こうで聞きますよ。」
いえ、お話したいこと、無いです。
にこやかな笑顔なのに、言ってることは女性と同じように強引で、そのまま私へと伸びてくる手に恐怖心がどんどん増していく。
嫌だ、触られたく無い。
そう思うのに、逃げ出す力が全然湧いてくれない。
意味が無いって分かりつつも、ぎゅ、と目を閉じて出来る限り身を縮こませた時だった。
「____この酔っ払い馬鹿、
一応今日の主賓なので返してもらえますか。」
感情が掴みにくい低い声が、すぐ側から届いた。