sugar spot
ムカつき過ぎて頭痛がまた酷くなった気がする。
言葉を紡ぐ余裕が無くて、じと、と睨みあげても未だ頬杖をついた状態の男に鼻で笑われた。
「…で?お前いつまでここに居んの。」
「……」
煩いな、戻れるならこっちだって戻ってる。
立ち上がろうとするけど上手く力が入らなくて
きゅ、とただ唇を噛むと
「あ、お待たせしました!大丈夫ですか?」
その場に座り込む私の背後から、ハキハキした声でそう言われ、ゆっくりと振り返るとお店の店員さんが心配そうにグラスを持って立っていた。
「お手数おかけしてすみません、
ありがとうございます。」
能面がお礼と共にそれを受け取って、ことん、と私の前に置く。
「……"水分摂る"。1番にまずそれやるだろ。」
酔っ払い初心者かよ、と付け足しで腹の立つワードも添えられて怒りのボルテージがまだ上がる。
だけど、背に腹はかえられない。
おずおずそれを受け取って口付けると、常温より少し冷たいくらいの心地よい水が喉を通ってすんなりと身体に染み渡る。
即効性があるわけではないと分かってるけど、ほっと息も零れて、呼吸もちょっと落ち着いた。