sugar spot
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「きゃー!!瀬尾!」
ど沈黙ランチを終えてビルに戻る途中で、能面と前を歩いていた古淵さんがまるで乙女のような声を急にあげた。
「声気持ち悪い。お疲れ様。」
「あれ、みんなでランチ?仲良しだな。」
どうやら、同じようにビルへ戻る途中だった瀬尾さんと南雲さんを発見したらしい。
「そうなんですけど〜〜
穂高と梨木っち、なんかバチバチしてるんですよ!!」
「え、そうなの?」
私だってバチバチしたくて、してるわけではないけど。この能面が、私の苛立ちスイッチを押す能力に長けすぎているからだ。
そう心で毒づきながら何も言葉を発せずにいると、目を丸くした南雲さんと視線が合う。
「瀬尾、今日飲みに行こ!」
「嫌だ。」
「…からの!?」
「無理。」
「も、もう一声!?」
「というか、今日残業だから。」
「ぴえん。」
古淵さんが瀬尾さんを誘って瞬殺されているのを無視して、南雲さんはゆらりと私に近づいてきた。
「…梨木さん、有里君と仲悪いの?」
「……仲悪いというか、
奴が非常に、いけすかないです。」
「成る程。非常に、いけすかないのか。」
表情を殺して低い声で伝えたら、何故だか言葉を繰り返した彼はクスクスと楽しそうに笑っている。
「…何も考えず、貸した本も共有してとか言ったけど。」
「そうですね、敵に塩は送りません。
私1人で、あの男より先に図面マスターします。」
そう返答すると「バチバチしてんなあ、確かに。」と困った表情で笑われて、私も眉を下げた。
「あ、枡川。
皇先輩からデータ来てたからお前にも後で転送しとく。」
「え、もう送ってくださったの!
さすが神……ありがとう。」
「先週施工した部分も、
写真見たけどいい感じに仕上がってたな。」
「でしょ?」
「威張り方すご。」
一緒に携わっている案件についてなのか、すぐ側でそんな会話をして笑い合っているちひろさんと瀬尾さんに流れる雰囲気はすごく穏やかで。
同期で、一緒に仕事もして、
付き合ってて、仲良しで。
自分の唯一近くにいる同期との関係性のギャップに気づいて溜息が漏れた。