sugar spot
「お疲れ様です。」
「お疲れ様。
枡川、梨木さんも夏の展示会出るんだよな。」
「はい!勿論参加してもらう予定です。」
「じゃあこれ、今年会場で配布するパンフレットのゲラ。企画部からあがってきたから、営業部にも先に共有しとく。」
「わー!オシャレですね!助かります、お客さんへのアプローチ方法とかこれで詰められます。」
「今年もTシャツはダサいの?」
「……まあ古淵が作ればそうなりますよね。」
「デザイン部にその仕事回せよ、ほんと。」
「本業に専念してくださいってことです。」
ぽんぽんと軽快に進んでいく会話を聞きつつ、"展示会"という、配属されてから何度かチラッと耳にはしたことのある言葉を反芻させていると、ちひろさんと目が合った。
「あ、梨木ちゃん展示会のイメージついてる?」
「なんとなく…?
大きな会場を貸し切って、色んな企業さんがブース作るんですよね?」
「そうそう、自分の会社の製品とかサービスを宣伝できる凄く重要な機会で、営業部はお客さんと沢山話もするし、大変だけどね。充実感あるよ。」
「1年目は、2日間出ずっぱりだしな。」
想像がついてるような、ついていないような。
でもきっと下っ端の私達が頑張らなければならないのだということは分かった。
「……」
「なんですか?」
ふと、南雲さんからの視線に気づいてそう問いかけると
「梨木さん、2日間有里君とずっと一緒だね。」
「っ!?」
なんだ、この人。
何を楽しそうにそんなことを私に伝えてくるのか。