sugar spot




全く予想していなかった言葉に目を見開いて、驚き終わった後に「なんの話ですか!?」とやっと主張できたから、不自然な時差が生じた。


___『そもそも私は同期同士のそういうのは考えられないので!!!』

『え?仕事でサポートし合える関係ってことね。
"そういうの"って何のこと?』___

この間も、この人は私のことを揶揄ってきた。
今日も絶対同じ感じだと、流石の私も予測できる。


「どんなこと言われても、もうその手には乗りません!あれは私の天敵です!!」

「でも昨日の敵は今日の友って言うし?」

「友…!?」

あの能面と仲良しこよしのうふふアハハに、なれるとでも思うのだろうか。
絶句して固まる私を庇うようにちひろさんが溜息をつく。

「…南雲さん、梨木ちゃん揶揄うのやめてくださいよ。」

「ごめん、反応が面白いんだよなあ。」


焦って早口になる私の何がそんな面白いのか、クスクスとひとしきり笑った彼は、私が今まさにバッグに仕舞おうとしていたものに気づく。


「…梨木さん、なんか買ったの?」

「あ、はい。私の生きる糧です。」

「……CD?」

「はい、私の大好きなバンドのアルバム、1日早くフラゲしてきました。」

「……、」

瞳を丸くした彼がそのまま何も言わないことを不思議に思って首を傾げつつ見つめたら、「やっぱさ、」とポツリ呟いて。



「梨木さん達は、枡川瀬尾に負けないくらい絶対良いコンビになると思うけどな。」


「…っ、だからなんでそうなるんですか!?」

「え、なんか私も巻き込まれてませんか?」

ちひろさんと共に反論しても、全て受け止めるみたいな穏やかな笑顔の南雲さんには何も効き目が無かった。


"あ、有里君。"

"……お疲れ様です。"

"(俺、めっちゃ警戒されてるな)
昼休みどっか行ってたの?"

"あ、はい。完全に私用ですけど…"

"その袋は…CDショップで買い物?"

"はい。どうしてもフラゲしたかった好きなバンドのアルバムです。"



「(いや普通に、相性ぴったりじゃん。
逆に何をこんな拗れてんの?)」

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