sugar spot
私が"バカ正直"をやってしまったことは
プラスなのか、マイナスなのか、分からない。
面接の良し悪しは、誰も教えてくれない。
でも、不思議と今までの面接で1番悔いはなかった。
もうとっくに“第一志望“になっていた会社でそう思えたのは、幸せかもしれない。
だからもし落ちていたとしても大丈夫だと、
そんな風に自分を言い聞かせた。
“__梨木さんと、
一緒に働きたいと思ってご連絡しました。“
そのくせに、面接の度に1番顔を合わせていた吉澤さんという採用チームの女性から電話があった時、結局私はすぐに言葉が出なかった。
“え、泣いてる?“
「…泣いてる、というか、号泣してます。」
受話器越しの鼻声に、吉澤さんがすごく笑っているのが分かったけど、私は拭うのに必死でそれどころじゃなかった。
あのね、ちひろさん。
恥ずかしいし、ストーカーっぽくて、直接はこれからも伝える気はないけど。
私からしたら、貴方も充分、神様みたいな人でした。
ちひろさんが居なかったら、
私は絶対、この会社に受かってない。
"梨木 花緒
オフィス家具営業部 第一課"
配属先を告げられた時のことは一生忘れられない。
一緒に働ける、その喜びを自分の中でこれでもかというくらい噛み締めた。
いつか、ちひろさんみたいになりたい。
営業部で同じ仕事をするんだから、
私も当然、彼女のようにならないといけない。
『…数年に1回、同じような子が現れるのかな。』
そしてきっと、それを、望まれている。