ツインレイ⋅⋅⋅唯一無二
(3)惹き寄せられる

私は、姉が結婚して
二年目となる時に帰国した。

祖父母が亡くなり
涼叔母さんが転勤を希望した。

涼叔母さんは、
祖父母がいなくなり
父の顔を見たくないと
転勤を希望したのだ。

祖父母は、
祖父母の家を私の為に
残してくれていたから
三人の役に立ちたくて
私は、祖父母の家へと帰り
父がいないときに姉と母、
そして姉の結婚相手となった方に
会うことにした。

父が釣りに出かけた土曜日に
母と姉、義兄が
祖父母の家へとやってきた。

母が祖父母の家に行く事を
躊躇したが
私の仕事の納期が迫っていたから
こちらにきてもらったのだ。

「「おじゃまします。」」
と、母と姉の言葉に
「いらっしゃい。
というか、お久しぶりです。
姉さん、式に帰れなくて
ごめんなさい。
母さんは?かわりない?」
と、言いながら
二人にお土産を渡し
姉にお祝い金と結婚記念に
手作りの新郎と新婦の人形を
渡した。

姉は、すごく喜んでくれて

良かった!!

車を駐車場に停めて来た義兄さん。

「おじゃまします。」の声に
「はぁ~い。どうぞ。」
と、玄関に出迎える。

私は、義兄さん事·····

  結城 慶さんを見た···瞬間······

  義妹の十川 美桜を見た····瞬間·····

回りの音は消え
二人の呼吸音だけが聞こえた···

心臓は、バクバクとうち
冷や汗が流れる。

義兄の手が
いつのまにか、私の手を取り
見つめあったまま
お互いの手を握りしめあっていた。
だんだんと顔が近づく

「美桜、慶さん来た?」
と、姉の声に
二人とも弾かれたように離れた。

「うん。姉さん、みえたよ。」
と、言い。

なんだったのだろう

  さっきの感覚は·····

まだ、心臓がドクドクと
音を立てている

深呼吸を何度もして
「····あの····どうぞ····」
と、言うと
「あっ、ありがとう。」
と、言いながら
靴を脱ぎ近づいて来た義兄さんは、
私の腕を掴んで引き寄せ
唇にキスをした。

思わず流されそうになったが
なんとか、踏み止まり
彼の胸を押して離れ
私は先に母と姉がいる
部屋へと急いで戻った。

姉があれ?と、言っているときに
「遅くなりました。」
と、義兄さんは入ってきた。
「停めにくかった?」
と、訊ねる姉に
「うん。少しね。
あっ、俺が下手なのかも。」
と、言うと
「何言ってるの無事故無違反の癖に。」
と、笑いあってる二人を
横目で見ながら
飲み物を皆に配る。

すると、母さんが
「美桜、ごめんね。」
「ううん。こうやって、
母さんと姉さんに会えただけで
いいの。」
と、答えると寂しそうに母は、
笑った。

姉さんが義兄さんに
「美桜からお祝いもらったよ。
ほら、これも。」
と、見せると
「美桜さん。
初めまして、結城 慶と
言います。
お祝い、ありがとうございます。
これは、手作りですか?」
じっと、見つめられ
吸い込まれそうになり
心臓が再びバクバク言うのを
皆にきかれるのではないかと
思いながら
「······妹の美桜です。
結婚式にも出席できずに
申し訳ありません。
これは、私の手作りです。
お人形なんか、嫌かもしれませんが。」
と、言うと
「そんなことない。
すごく、良くできています。」
と、力説する義兄に
「うふふっ、どうしたの?
慶、お人形とかに興味あったの?
まあ、美桜の作品は、
すごいけどね。」
と、言う姉に
「うん、すごく上手だよ。」
と、言ってくれた。

それからは、四人で少し話して
父が帰ってくるからと
三人は帰って行った。

玄関まで送ると
義兄さんがそっと手にふれたから
ビクッと、手を引くと
何とも言えない顔をして
姉の後を追って行った。

玄関が閉まると······

 私は⋅⋅⋅⋅⋅⋅⋅

  そのまま、その場に崩れた。
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