ツインレイ⋅⋅⋅唯一無二

••温かな


結城家に着いて
慶がブザーを鳴らすと
パタパタと走る足音が·····

瑞樹と二人で顔を見て
私が微笑むと瑞樹もニッコリしていた。
「はぁ〜い。」
と、ドアが開くと

優しい顔をした女性
慶のお母さんだろう。

お母さんと目が合うと
その女性は、目に涙を溜め
私を抱き締めた。
急だったので驚いたが
お母さんの手が私の背中を
優しく撫でるから
「初めまして綾川 美桜と申します。」
と、腕の中で伝えると
何度かお母さんは頷いて
私を離して
「いらっしゃい。慶の母で陽子と
言います。
まあ、貴方が瑞樹君?
遠い所、ありがとう。」
と、お母さん。
「あやかわ みずきれす。」
と、頭を下げると
「綾川でなくて結城ね。二人とも。」
と、慶が言うから
あ〜と、笑ってしまった。

温かなお母さんの出迎えで
緊張もとけて
お母さんの案内でリビングへ。
そちらには、お父さんが座ってらした。
慶が、私と瑞樹の紹介をしてくれたから
私め瑞樹も頭を下げる。
お父さんも
「遠い所、大変だったね。
私は慶の父親で寛と言います。
妻に驚いたのでは?」
と、言われて慶の顔を見ると
頷いてくれたから
「びっくりしましたが
凄く嬉しかったです。
慶さんと不倫の様な出会いをして
まして、姉と離婚まで
追いやってしまった私を
認めてもらうのは難しいと
思っていました。
まして、瑞樹を勝手に産んでいましたので。」
と、言うと慶は、
私の手に自分の手を重ねて
微笑んでくれた。
そんな私達をご両親は
温かな目で見てくれて
「それだよ。」
と、言うお父さんに
ん?と首を傾げると
「慶はね。
学生の時から恋愛をあまりしてないの。
まあ、私達が知らないだけかも
しれないけど。
女性を私達に合わせたのは
お姉さんの舞桜さんだけ。
でも、舞桜さんの時は
ニコニコ笑ってはいたけど
美桜さんに接するような
態度や眼差し等はなかったの。
だから、慶がどれだけ
美桜さんを想っているかわかるの。
それに瑞樹君も慶の小さい頃に
そっくりでね。
ありがとう、可愛い孫を。」
と、言われて
首を振りながら慶を見ると
慶は、瑞樹を膝に乗せて
私の手を握ってくれていた。

それからは、遅くなってしまったけど
入籍のご報告と瑞樹の
話しをした。

お父さんとお母さんは、
優しい顔で終始話しを聞いてくれて
瑞樹も
「おじいちゃん。おばあちゃん。」
と、言って話しをしていた。

お昼は、お母さんのお手伝いを
しながら簡単な料理を作り食べた。

瑞樹のお箸の使い方が
上手だとお母さんから褒めてもらって
瑞樹は、とても喜んでいた。

明日は、涼ちゃん・母の写真撮影に
行ってきますと
ご両親に話して
連絡先を交換した。

瑞樹は、まだ、話したらないみたい
だったが、
「また遊びに行くから
瑞樹君も来てね。」
と、言われて
「はい。」と、返事をしていた。

私は、作品作りをやっていて
❝ Cherry ❞と、言う名前を
使っていますと話すと
お母さんのお友達のお嫁さんが
ファンで、購入してくれていた。

沢山欲しいけど
一点、一点、手作りだから
そうそうは、出来なくて
と、言ってくれたらしい。
ありがたいなぁと、感謝しながら
ホテルへと戻った。

慶と姉のお人形も女の子は姉が
男の子は、慶が自分のだからと
アメリカに持ってきていたから
私と瑞樹を作り
離れて暮らしている
結城のご両親に送った。

お母さんは、大絶賛で
嬉しかった。
お父さんは、器用だ。凄いなぁと
連呼して私達を笑わせてくれた。

本人は至って真面目に
言ってくれていたのだが。
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