ツインレイ⋅⋅⋅唯一無二
(7)理解できない

私は、姉の病室から出た。

出ると出口横の壁に慶さんが
立っていた。

私達は、無言で歩き
病院を後にした。

慶さんは、私の手を取り
繋いで歩いた。

私の家に帰りつくと
「すまない。勝手な事をして。」
と、言う慶さんに。

私は首を横に振りながら
「びっくりしたけど
嬉しかった。
私の事を考えてくれて
ありがとう。」
と、言うと
今度は、慶さんが首を横に振った。

慶さんの顔を冷やして
私達は、簡単に食事をして
お風呂に入り
抱き締めあって眠った。
(慶さんの顔には湿布をはり)

次の日
慶さんは、市役所を休んだ。

父に殴られた頬の腫れが
引かなかったから。

二人で、朝食を取り
私は作品を作り 
慶さんは、それを見ていたり
ソファーで眠ったりしていた。

私達は、この時
穏やかに過ごしていた。

姉や父の事を考えずに。


夜になり母から慶さんに電話があった。

姉の意識が戻り
「慶さんにそばにいて欲しい。
と、言っている」
と。
慶さんは、私の顔を見たから
私は頷いた。

「今から向かいます。」
と、慶さんは言い電話を切った。

「行ってくる。
    後で連絡する。」
と、言い私を抱き締めキスをする。

「うん。お姉ちゃんをお願いします。」
と、言い ぎゅっと慶さんを
抱きしめた。

慶さんが病院へ向かった後に
ブザーがなり
出てみると母だった。

母の顔色は悪く
「母さん、大丈夫?」
と、訊ねながら
コーヒーを出すと
「慶さんは、ここにいたの?」
と、言われて
えっと、言う顔をしたと思うが······


「あの後、お父さんが。
あなたの家に行ったら
慶さんが家に入って行き
あなた達が·····その····
キスを····して····いた·····と
本当なの?」
と、言う母に
「ここから出ていけと
言うつもりで、あの人は来たの?
どこまで、私が邪魔なの?
私は、そんなに嫌われる事をしたの?
ねぇ、なにかした?」
と、わめきながら言う私の頬を
母は、叩いた。

初めて母から叩かれて
母も、私を疎ましく思っているのは
わかっていた

「あなたが、帰ってきてるから
会いに行ってあげてと舞桜が
言ったらしいの。
それで、あなたの家へ行った。
行かなければ良かったと。
いつからなの?
前から慶さんを知っていたの?」
と、言われて
頭を横に振りながら
「知らない。
あの時、初めて会いました。
お母さん、信じてくれるか
わからないけど
本当に、あの時、初めてあったの
でも······

私は、自分の気持ち
慶さんの気持ちを話した。

母は、わからないと
頭を振り冷静になりたいと
帰って行った。

私を理解すらしていない母に
私の気持ちがわかるはずない

その日、慶さんから
   連絡は·······無かった。
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