りんじん彼ジョ。~隣のお姉さんに襲われました~大人女子×専門学生
教科書通りになんていかないのは理解していた。
ただ、紙面上に記せばいいものじゃない"対人"なのだから。
「来週から兄ちゃんいなくなると寂しくなるなぁ」
「……あ、」
「ま、頑張れよ」
ポンと背中に当てられ手に温かさを感じて、少し泣きそうになった。
「ありがとうございました」
実習が上手くいかないのを人のせいにして。
自分がどれだけ小さくて、力が無い人間なのだと思い知らされる。
その日はバイザーや他の職員に飲みに行かされて……。
「学生さんお疲れ飲んで飲んで」
「結構、いけるね~」
「どうだった?この先生厳しかったでしょ?」
飲まされて、飲まされて、ヤケも加わって。普段以上にお酒を口にしただろう。
「まぁ、次の実習頑張って」
「――ありません」
「え?」
「自信ありません」
どうやって帰ってきたか分からないなんて今まで無かったのに。