拗らせ片想い~理系女子の恋愛模様
同期と…新しい恋

翌週の月曜日、少し早めに出社して仕事の準備に取り掛かっていると、須藤さんが近づいてきた。

「おはよ。同期の彼が入り口にいるけど、佐多に用事なんじゃない?」

なんだろう・・・。ありがとうございます、とお礼を言って、入り口まで行ってみると、浦橋くんが携帯をいじりながら立っていた。カバンを持っているところを見ると、まだ出勤前なのだろう。

「浦橋くん、どうしたの?」

「あ、おはよ、良かった。携帯にメール送ってたんだけど既読つかなかったからさ」

「あ、ごめん、見てなかった。何かあった?」

「いや、何かってことはないんだけど、金曜日、大丈夫だったかな、と思って。気づいたらいなかったし、何かあったかな、と思って。」

「ごめんね。1杯だけ飲んだら気分悪くなっちゃって、外で座ってたの。陽美ちゃんが様子見に来てくれて一緒に帰ったよ」

「だったらいいけど。携帯ならしても出ないし、心配した」

「うん、ごめん。」

「陽美ちゃんと楽しかった?」

「久しぶりに色々話できた。陽美ちゃん年上の彼氏ができたって」

「へぇ。いいね」


ふたりでふふっと笑って、またご飯行こうね、と手を振って別れた。

席に戻ろうと、IDカードをかざしていると、後ろから「仲良いね」と須藤さんに声かけられた。

「先ほどはありがとうございました。メールくれてたみたいなんですけど、気づかなくて。助かりました」

おう、と言って自席に行きかけたが、クルっと振り返り私の近くに来て立った。

「今日のお昼、一緒に行ける?その時進捗聞かせて」

「・・・はい。」

須藤さんと一緒のお昼は緊張するから苦手だ・・・

午前中はずっと吉田さんと打ち合わせだった。
そのままの流れでお昼に行こう、と誘ってくれたのをいいことに、須藤さんからお昼に進捗聞かせてくれと言われてる、と言うと、吉田さんも一緒にお昼に行ってくれることになりホッとする。

結局3人でお昼を食べているときは、仕事の話にはならなかった。
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