同期に恋してしまったら~友達からはじまる恋ってありますか?~
向坂より先に目覚めたわたしは、シャワーを浴びて、身支度をした。

向坂が目覚めたらしく、布団がもぞもぞと動く気配がする。


そして、

「おはよ。」

と声をかけられて、わたしは振り向いた。

「ねぇ。向坂。わたしたち何もなかったよね?」

「え?」

向坂がちょっと怪訝な顔をした。

「覚えてねーの?」

「うん。わたしたち、ずっと同期で友達でいれるよね?」

「え?」

嫌だった。

向坂は女と真剣に付き合う気がないやつだ。
そんな男がわたしと寝たのは、昨日わたしがカレシと別れたって聞いたからに他ならない。
それだったらめんどくさくないから…

けど、わたしは…向坂と身体だけの関係になるのは嫌だった。

女として向坂と接するなら、体だけの関係になってしまう。

それなら、今までの同期の友達のままがいい。
その方が向坂と心を通わせられるから…

女としてのわたしは一度寝たからそれでいい。
昨日の体の温もりをずっと忘れないから…

「そうだな。俺たちは…友達だよ。」

向坂もわかってくれたみたいだった。

よかった。これで、今までと変わらずいれる…


そして、わたしたちは、その日からまた一緒に飲みに行く回数も、LINEする回数も増えた気がした。


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