幼なじみの双子アイドルの推しが私なんてありえない!
「多分、クラス中が認知していると思うよ」

「マジですか」

「マジ」



琴音ちゃんの言葉に、私は箸で掴んでいたブロッコリーを落とした。

ブロッコリーは無事、お弁当箱の中へ。

……床に落とさなくてよかったよ。


それにしても、私の恋がクラス中にバレているなんて。

恥ずかしすぎる。

じゃあ、南條くんにもバレているのかな。


まさか。

それはないだろう。

っていうか、南條くんには気づかれたくないな。

タイミングっていうのもあるだろうし。



「話し戻すけど、体育祭、美羽はバスケの試合に出るんだよね?」

「うんっ! 南條くんと一緒のグループ!」

「……そういうことを、大声で言うからクラス中に知られちゃうのよ」

「っ⁉」



私の恋心が広まっている理由って、私が原因だったのか!

確かに、私は周り気にせず喋ってしまうことが多いけど……。


思わぬ落とし穴、って感じがする。
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