エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
瑞希は一拍黙ってから、「なんのお話ですか?」と聞いた。

電話ですませてほしいという思いからだ。


『海翔くんが俺の子だという話についてだ』

「布施さん……。何度も違うと私は言いましたよ。これ以上の説明は不可能です。会っても意味はありません」


疑惑を持たせたまま連絡を絶ちたくはないが、信じてくれないなら着信拒否するしかないかと困ってしまう。

瑞希の深いため息を聞いても、布施は諦めてくれない。

『頼む。とにかく顔を見て話をしたい。森尾は俺に会いたくないだろうが、このままでは終われない』

会いたくないなどと思ったことは一度もない。

夢で見るほどに会いたくて、けれども会ってはいけない人だと自分を戒め三年ほどを過ごしてきた。

布施の執拗な求めに、瑞希の心が揺さぶられる。

(私はきっとまだ布施さんが好きで、その気持ちを押し殺している状態なんだろう。我慢がきくうちに、布施さんの疑惑を解消させないと。こうやって何度もコンタクトを取られると、打ち明けたくなってしまいそう)

「わかりました」と瑞希は会うことを決意した。

「これで最後にしてください」と条件を付け足して。

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