エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
布施は条件についてわかったとは言わずに、『次の土曜の夜に』とアポイントだけを口にした。

「ママ、ちゅぎ、こっち!」

電話しながら戦いごっこの相手をしていたのだが、いつの間にかイルカは倒されていたらしい。

イルカを奪われ、代わりに渡されたのは干してあった父のパンツ。

悪役に抜擢された理由はたぶん、怪獣柄のブリーフだから。


「えっ、これ?」

「うん。パンチュ怪獣」


海翔に気を取られていると、布施に会話を締めくくられてしまう。


『忙しい時間にすまなかったな。店を予約しておく。詳細はメールで。それでは当日に』

「布施さん、待っ――」


切られてしまった。

土曜に会ったら追及は終わりにするという約束を取り付ける前に。

「あーあ。なんだか布施さんのペースに飲まれている気がする……」

独り言をぼやいたら、海翔が「ヤァーッ!」と攻撃してきた。

戦いごっこに熱が入り自分の体ごと突っ込んでくるので、携帯電話を落として抱き留めた。

反動で畳に仰向けに転がる。


「やられたー。海翔、重くなったね」

「ちゅよくなったの!」

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