エリート外交官の激愛~秘密の一夜で身ごもった子ごと愛されています~
「そうだね。強くなった。ママも強くなりたいな……」


くすぐってあげると、海翔はキャッキャッと喜ぶ。

(今の電話、ちょっと強引だった。強気に出る理由はなに?)

海翔の誕生日から逆算したら、確かに体を重ねたあの一夜が怪しいと思うのかもしれないがそれだけで確信を持てないだろう。

しかし布施は、『海翔くんが俺の子だという話についてだ』とはっきり言った。

その押しの強い声が耳から離れず、不安が広がる。

(他の証拠も掴んだとか? いや、そんなものはない。両親にも真野ちゃんにも打ち明けていないのに。思い込みが強いだけ? ううん、布施さんは感情だけで突っ走るタイプじゃない。とすると、私を限界まで揺さぶって、真偽の判断をしようとしているのか)

交渉事において瑞希は経験が浅く、布施には十分なキャリアがある。

彼を相手に臨む結果が得られるのか、自信がない。

劣勢に立たされた気分で顔を曇らせた瑞希は、愛しい息子をぎゅっと強く抱きしめた。




「お母さん、ごめんね。海翔をよろしく。二十時半には帰るから」

「いいよ。海翔の機嫌も直ったし、ゆっくりしておいで」


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